電動貨物船が世の中を変えるかもしれない。
「Fleetzeroが電動貨物船で貨物業界の転覆を狙う」とTechCrunchが紹介している。
世界的に脱炭素化が叫ばれ、その有望な解決策として業界横断的に電動化が進む中で、大型貨物船は比較的電動化が難しいとされてきた。
長距離を航行するためには膨大な容量・数のバッテリーが必要になり、そのバッテリーを充電するにも長時間を要することから、効率が悪くコストに見合わないことは容易に想像できる。
そういうわけで大型貨物船は相変わらず化石燃料に依存し、二酸化炭素を排出し続けているという状況だ。
そんな世の中を変えようとしているのが、電動貨物船とそのバッテリーの開発を手掛ける「Fleetzero」。その発想はユニークだ。
バッテリーパックを標準の20フィートコンテナのサイズにして、運搬・交換を容易にする。船舶の航路の途中の港にバッテリーの予備を置いて、短時間で交換できるようにする。港に残されたバッテリーは次の船のために充電される。
これを利用する船舶は、次の港に着くまでに必要なだけのバッテリーを積めばいいので、効率化もできる。
これにより異なる船の間でバッテリーを共有・交換することを可能になる。いわば「バッテリーシェアリング」だ。
しかも、あまり使われていない港をバッテリーの交換場所(アクセスポイント)にすることで、バッテリーの保管場所の運用コストも下げられ、港の方も収益が上がり、周辺のビジネスも活性化される可能性もある。
思いがけないメリットがありそうな電動貨物船の第1号は2023年半ばに就航予定。