5年程前に購入したスマホがそろそろ買い替えどきになったので、新しいスマホに買い替えることにした。
新たに購入するハイエンドスマホはiPhone 14 Proとする方向でほぼ決まった。折良くスマホの選定段階だった2023年7〜8月には、iPhone 14シリーズに関して各社が活発にプロモーションを展開していた。大手キャリアのプロモーションを概観してみる。
VerizonはiPhone 14 Pro/Pro Maxを含むいくつかの最新スマホに関して、端末代金が無料になるというキャンペーンを期間限定で実施していた。
プロモーションの内容は端末を分割払いで購入し、他社から乗り換えて一定の無制限プランに加入することで200ドルのギフトカードがもらえ、さらに対象機種の既存スマホを下取りに出すことで最大1,000ドルが割引されるというもの。
下取りに出す端末の機種に応じて割引額が変わり、iPhone 12以降であれば1,000 ドルであるが、iPhone XSは800ドル、iPhone 8は400ドルとなる。それも端末の状態が最良のときで、傷などがあれば減額される可能性がある。
最大1,200ドルの割引額は魅力的ではあるが、一定の無制限プランに加入しなければならず、最低でも月々65ドルのプラン料金が発生するのが難点。これでは現行の支払額より大幅アップになり、割引のメリットがなくなってしまう。
AT&TもVerizonと同じように、iPhone 14 Proが無料になるというキャンペーンを期間限定で実施していた。
プロモーションの内容は端末を分割払いで購入し、月額75ドル以上のプランを利用し、対象機種の既存スマホを下取りに出すことで最大1,000ドルの割引になるというもの。
割引額は下取りに出す端末の査定価格に応じて変わり、査定価格が240ドル以上だと最大1,000ドル、130ドルから239ドルだと最大700ドル、35ドルから129ドルだと最大350ドルの割引となる。
Verizonでは他社から乗り換えると200ドルのギフトカードがもらえるが、AT&Tにはそのようなオファーはないため、割引額は最大でも1,000ドルということになる。これも最低月額75ドルのプランの利用が条件なので現状よりも月額料金が高くなる。
T-MobileもiPhone 14 Proに関してプロモーションをしていたが、内容は少し複雑だ。
iPhone 14 Proに適用可能なプロモーションが6つも表示されている。どれが自分のケースに当てはまるのか、重畳適用できるものがあるのか、詳細をよく読んでみないとわからない。各プロモーションの概要は以下のとおり。
- 対象機種の端末を下取りに出し、Go5Gを含むプランで新規回線を追加することで最大830ドルの割引
- Go5G Plusのプランで対象機種の端末を下取りに出すことで最大830ドルの割引
- Go5Gを含むプランで対象機種の端末を下取りに出すことで最大350ドルの割引
- 対象プランで対象機種の端末を下取りに出すことで最大200ドルの割引
- 対象機種のiPhoneを購入し、Watch用のDigits回線をアクティベートすることでApple Watch SEが無料
- iPhone 14または13シリーズを1台購入し、新規顧客は2回線を新設(既存顧客は1回線を追加)することで2台目が最大700ドルの割引
このうち1と6は回線の追加が必要になるので月額料金が現状より高くなるので除外。2はGo5G Plusという上位プランの利用が前提なので除外。5はWatch用の回線に月々15ドルの余計な支払いが発生するので除外。残るは3と4。
3は「Go5Gを含むプラン」とあるが、現在利用中の「Magenta 55+」が対象になるのかどうかが不明だ。4も同様で、「対象プラン」にどのようなプランが含まれるのかが不明だ。
結局詳細をよく読んでもわからなかった。後日、ショップに立ち寄って確認してみることにする。
Boostは2023年6月にベータサービスから本格サービスに移行した際に、iPhone 14シリーズの取り扱いを開始した。これを機に、iPhone 14の本体代金が無料になるプロモーションを開始した。
プロモーションの内容は、上位プランの「Unlimited+」に加入するとiPhone 14の本体分割払い代金が無料になるというもの。月々一定の差額を支払うことでiPhone 14シリーズの他の機種も選択できる。たとえばiPhone 14 Proは月々4.72ドルの36回払いとなる。
既存端末を下取りに出すことなくiPhone 14の本体代金(830ドル)が無料になるというのは魅力的ではあるが、そのために月額50ドルの上位プランに加入しないといけないというのは、損得について少し考察を要する。
月額50ドルの「Unlimited+」は月額25ドルの「Unlimited」に比べて、カナダとメキシコにおける音声、データ(5GBまで)、テキストが無料になるのと、米国から世界200対地以上宛の音声とテキストが無料で無制限に利用できるのが大きな特長。
そのために月々25ドルを余計に支払うのが得策かどうか。日本宛に無制限に電話がかけられるのはやや魅力的ではあるが、今は無料通話のできるアプリがある。月々25ドルを余計に支払ってまで上位プランを利用する価値はないと判断した。
結局上位プランに大きな魅力はないので、iPhone 14を無料で入手するために月々25ドルを余計に支払うのが得策かということになるが、36回分の支払額は900ドル。それならiPhone 14を定価(830ドル)で購入した方がお得、ということになる。
通信キャリアのプロモーションを一通り眺めてみたが、残念なことに、敢えてキャリアを変えるほど魅力的なプロモーションは見つからなかった。キャリアにとっては値下げ競争してまで顧客獲得を目指す状況ではないようだ。
アリゾナでスマホを買い替える(その8)に続く