銃がスマートになれば

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銃規制がなかなか進まないので、銃をスマートにして本人しか使えないようにしようという動きが注目されている。スマートでない人の手に渡っても銃がスマートなら多少はマシ、というわけだ。

銃にセンサーを付けて所有者本人であると認証できたときしか動作しないようにする「スマートガン」や「パーソナライズドガン」の構想は随分以前からあったが、なかなか実用化しなかった。

たとえばCNNで紹介された、ニュージャージー工科大学が過去30年間かけて開発しているというスマートガンは、銃のグリップにセンサーが搭載され、銃の握り方を認識して、本人が使ったときしか発射できないようにする方法。他に所有者の体にRFIDチップを埋め込む方法、腕時計型のロック解除装置、特殊な指輪をはめないと発射できない銃など、さまざまなものが開発されている。

CNNより

皮肉なことに、このようなスマートガン構想は、銃規制の反対派からも推進派からも支持されていないという。銃規制の反対派、すなわち全米ライフル協会のような銃所持の推進派は、このようなスマートガンは憲法で認められた銃所持の権利を制限するものだと批判する。一方、銃規制の推進派は、このようなスマートガンが一般的になれば銃を所持する人が増えると批判する。同じ物に対してまったく正反対の見方だ。

銃の保有者から見れば、スマートガンの信頼性がどうなのか心配、使いたいときに使えないと困るという見方もある。また銃に関心のない人でも、そんなことに頭やお金を使うよりもっと他にやることがあるだろうという見方をする人も多勢いるはずだ。

そんなこともあって、これまでなかなか実用化が進まなかったスマートガンだが、昨年末のニュージャージー州の小学校での銃乱射事件から様子が変わり、見直されてきているようだ。このままではいけない、銃規制のために何かしなければ、という市民の危機感が高まっていることが背景にあるとCNNは伝える。

アメリカでは1年間に23万丁以上の銃が盗まれているという。子供が銃を触っているうちに誤って発砲してしまったというような事件も珍しくない。スマートガンが普及していれば防げた事件や事故もあるはず。スマートガンは銃規制には万能ではないが、少なくとも出発点としては意味がある、とCNNは締めくくる。

折しも4月17日には、オバマ大統領が推進していた銃規制を強化する法案が上院で否決された。銃規制の強化といっても、銃の所持を禁止するようなものではなく、今まで購入の際に購入者の犯罪歴のチェックが不要とされていた展示会や個人売買についても、犯罪歴のチェックを義務づけるという、小さな第一歩だが、それすら通らないというばかげた状況だ。政府の対応を待っていられないという声や動きが出るのも無理はない。

まずはできることからやろう、という動きは評価できる。やっているうちに思わぬ進展や効果があるかもしれない。

一案として、この際、銃をとことんスマートにしてみてはどうだろうか。GPSで位置がわかったり、遠隔でロックできたりするのはもちろんのこと、発砲した際に使った人や場所の記録が残る、その前後の映像や音声が記録される、その情報が自動的に当局に送られるなど。開発や維持には相当お金がかかるだろうが、それは銃を購入する人に負担してもらおう。すると自然に銃を購入する人も減るのではないか。

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