Squareが非公開のIPO申請


モバイル決済のSquareが非公開ベースでIPOを申請した。

Squareのホームページより
Squareのホームページより

Bloomberg等によれば、Squareが非公開ベースで米証券取引委員会(SEC)にIPOの登録申請を行った。

IPOとはそもそも株式を公開すること。これを非公開ベースにするとは。

起業を促進するために2012年に成立したJOBS法(Jumpstart Our Business Startups Act)に基づき、年間売上額が10億ドル未満の会社はIPO登録申請を非公開ベースで行うことができるようになっている。

IPOの実施の際には当然財務情報等が公開されることになるが、実施に至るまでの過程で申請書類やSECとのやりとりをすべて非公開にすることができる。

これにより競合他社に重要な財務情報などを知られることなくIPOを実施することができる。

そういうわけで、Squareの財務情報は未だ公開されていないので、儲かっているのかいないのかわからないが、非公開ベースで申請ができるということは売上が10億ドル未満だということだけはわかる。

Squareの2014年の決済取扱額は300億ドルと言われている。決済手数料は2.75%だから、収入は約8億ドルとなり、だいたい辻褄が合う。

Squareの場合は他のクレジットカード決済会社と違って、固定料は取らず、純粋に取扱金額に応じた手数料収入のみなので、あまり儲かってはいないのではないかとの見方もある。たとえば、消費者が2ドルの買い物をするとSquareに入る手数料は5セントくらいにしかならない。

競合のPayPalやIntuitなどは他に儲かる本業のビジネスがあるのでモバイル決済事業が赤字でもなんとかなるが、Squareはこれが本業だから、これでいい数字が出せなければ大変だ。

IPOが実施されて財務情報が公開されると、どんな状況かがわかる。