Sprintが顧客向けにAmazon Primeのメンバーシップを月極めで提供しているが、これが不評だ。
Amazon Primeは、Amazonのショッピンサイトで買い物をしたときの「お急ぎ便」などの配達料が無料になったり、映画やTV番組が見放題になったり、音楽が聴き放題になったりといった特典が受けられる。
最初の1か月は無料でトライアルができるものの、それを過ぎると1年間という縛りがかかり、年会費が99ドルかかる。
Sprintは、このメンバーシップを月10.99ドルで提供し、月極めでいつでも解約できる形にした。Sprintのワイヤレス顧客への限定サービスだ。
ところがこれが大変不評だ。The VergeやCNETなどが酷評している。月10.99ドルということは、1年間にすると131.88ドルとなり、本来の99ドルより高くなるではないかとの批判だ。
考えてみれば、巷には同様の価格設定はいくらでもある。例えば通信サービスや有料TVの料金、アパートの家賃など、月極契約の料金を12倍したものは1年契約の料金より高いというのはごく一般的な商慣行だ。
SprintのAmazon Prime月極提供も、それと同じ仕組みなのだが、これが不評なのはなぜだろう。これを高いと感じるのはなぜだろう。
思うに、Sprintの料金設定は、Amazonが月極提供するとしたときの普通の料金であって、Sprintの顧客向けの特別な料金になっていないからだろう。
昨今の通信業界の厳しい競争の中、ワイヤレス顧客獲得のために「無料」、「割引」、「無制限」などの言葉で修飾された特典は珍しくない。消費者もそれを期待している。
そんなときに、「Sprintが顧客向けにAmazon Primeを・・・」とくれば、当然「無料」や「割引」の言葉を期待する。
それが年会費よりも高いとは、消費者が失望するのも無理はない。
消費者の心をつかむのに失敗している。