スマートな腰ベルトに何を期待するか


Samsungが開発したスマート腰ベルトがKickstarterで資金集めを開始した。その有用性にはやや疑問がある。

その賢い腰ベルトは「WELT」と呼ばれる。ドイツ語で「世界」を意味するが、そんなたいそうな意味合いはなく、単に健康の「Wellness」と「Belt」をかけたものかもしれない。

見かけはまったく普通のベルトと変わらないが、いくつかスマートな機能を備えている。例えばウエストのサイズを測ることができる。これは当然とも言える機能だ。

それから歩数をカウントすることができる。これも万歩計をベルトに付けて使う場合もあるくらいだから、想定内の機能だ。

さらに座っている間の時間を測ることができる。これはやや意外な機能だが、長時間座り続けると体に悪いということで、注意を促すために付けたものだろう。

そのような情報を収集・分析して、健康維持のために必要なアドバイスをしてくれるというのが主な特徴らしい。

8月30日にKickstarterで資金調達プロジェクトを開始した。目標は3万ドル。9月4日現在で2万7,000ドル程度で、それほど勢いはないが、調達期間終了までまだ31日も残っているので、余裕で達成できそうな状況だ。

KickstarterのWELTプロジェクトページより
KickstarterのWELTプロジェクトページより

TechCrunchがこれを紹介し、「ズボンがずり落ちるのを防ぐのが主目的の代物に、そんなスマートな機能を求める人がいるのだろうか」と疑問を投げかけているが、同感だ。

皮膚に密着するものではないので、入手できる生体情報は限られるだろうし、運動するときはこのベルトを外すことが多いだろうから、健康維持に必要な情報が的確に得られるのかどうかも疑問だ。

それでも進めるというのなら、もう少し何か魅力的なメリットが欲しい。例えば、磁気が発生して血行が良くなるとか、ブルブル震えてお腹の脂肪が落とせるとか、蚊除けスプレーが発射できるとか。

さらに健康にこだわらず、日常生活や緊急時に役に立つことや楽しめる機能があればいいかもしれない。例えば、スマホなどを充電できる、LEDライトが光る、カメラを搭載する、スペシウム光線が発射できるなど。

しかし腰ベルトにそんな期待をする人がどれだけいるか、正直言って疑問だ。