自動運転Uberの実験は不調


Uberがピッツバーグで実施していた自動運転車によるライドシェア型配車サービスの実験は、あまりうまくいっていないようだ。

Uberブログより
Uberブログより

Uberは2016年9月に、世界初の試みとなる自動運転車による配車サービスの実験を、ピッツバーグで開始した。

うまくいっていないというのは、開始してから1か月経たないうちに交通事故や一方通行逆走などのトラブルが報告されたこともあるが、それ以上に、ピッツバーグ市との関係が悪化していることが深刻だ。

The New York Timesによれば、関係悪化の原因は、Uberが市に約束したことを守ってくれていないこと。たとえば、以下のような約束違反が報じられている。

  • 実験車への乗車は無料だと言っていたのに、料金を取り始めた。
  • 連邦政府からの5,000万ドルの交通改革補助金を市が申請するのを支援すると約束していたのに、支援を取りやめた。市は結局補助金を獲得できなかった。
  • 試験場近隣地域の雇用創出を約束したのに、雇用していない。
  • 実験を通じて収集した自動運転車に関するデータを市と共有するとの約束も果たしていない。

Uberがピッツバーグ市にもたらしたものは必ずしも悪い面ばかりでもないが、最近のUberの行いに対する逆風もあり、Uberに対する不信感が募っている。

たとえばトランプ大統領が出した入国禁止令に対する抗議活動として、タクシードライバーたちが空港送迎を拒否するデモを行ったが、Uberは空港への送迎業務を継続した。

それどころか、需要が多くなると料金を高くする「サージ料金」を発動しないと発表したことで、この機に顧客を増やして儲けようという魂胆だと批判を浴びた。

もうUberを使うのはやめようと、Twitterで「#DeleteUber」運動が拡散する始末。

こういうこともあって、ピッツバーグ市としてはもうUberと付き合うのはやめて、Fordに乗り換えようとしているとも伝えられている。

Uberへの逆風はまだ止みそうもない。