AT&Tの映像系サービスの明暗


AT&Tの第3四半期の映像系サービスは、明暗はあるものの全体的に暗いニュースが優勢だ。

AT&Tは10月11日、米証券取引所に「Form 8-K」を提出した。この報告書は財務状況や株価に影響を与える可能性のある重要事項を報告するもの。明るいニュースと暗いニュースを含んでいる。

明るいニュースとしては、2017年第3四半期には、OTTビデオストリーミングサービスである「DirecTV Now」の加入者が30万件の純増となる見込みとなった。第2四半期は15万件の純増だったので、増分に関しては前四半期から倍増の勢いで伸びている。

暗いニュースとしては、映像系サービス全体の加入者は9万件の純減となる見込みとなった。すなわち、従来型の有料TVサービスである「DirecTV」と「U-verse TV」を合わせて39万件の純減となる見込みだ。

第2四半期はDierecTVが15.6万件の純減、U-verse TVが19.5万件の純減で、合計で35万件の純減だったので、前四半期よりも加入者減が悪化する見通しだ。

「DirecTV Now」の加入者増のほとんどは自社内のサービスからの移行である可能性がある。それに加えて従来型の有料TVサービスの顧客離れが加速していることも示されている。

我が家でもDirecTV Nowを利用しているが、サービス開始当初の不具合はなくなり、チャンネル数は十分であり、料金は比較的安く、いつでも解約でき、解約時にセットトップボックスを返す必要もないというメリットを考慮すると、従来型の有料TVサービスを選ぶ理由がない。

ただし、Sling TVなどもっと安い他社のOTTサービスもあるので、いつ他社に移行してもおかしくはない状態だ。