Uberが初の決算発表


Uberが上場後初の決算発表をした。暗雲漂う内容だが、明るさもないわけではない。

ライドシェアリングのUberが5月10日にIPOを実施した。初日の株価は初値が42ドルと、公開価格の45ドルを下回る低調さを示し、終値も41.57ドルと、公開価格よりも7.6%の下落となった。その後も株価の低迷は続いており、6月3日の終値は41.25ドルと心許ない。

5月30日には上場後初めてとなる2019年第1四半期の決算発表をした。売上は前年比20%増となる31億ドルとなったが、利益は前年同期が37億ドルの純利益だったのに対し、今期は10億ドルの純損失。

もっとも前年の純利益は子会社売却による売却益によるもので、それを除くと同程度の純損失となっていたので、構造的な赤字体質と言える。

ライドシェアリングは今や庶民の足として欠かせない存在になっているので、儲からないからと言って簡単に撤退したり値上げしたりしてもらっては困る。

決算内容を見ると、この先「大丈夫かいな」という不安はあるが、光明もないわけではない。出前サービス「Uber Eats」やその他の事業の成長率が大きいからだ。

売上の内訳は、本業のライドシェアリングが約24億ドルで、前年比9%の伸びだったのに対し、Uber Eatsは約5.4億ドルで、前年比89%という大きな伸びを示している。さらにコア事業以外の「Other Bets」が約1.5億ドルではあるが、前年比263%という目覚ましい成長を遂げている。

売上の内訳(Uberの発表資料より)

「Other Bets」にはバイクシェアリングや電動スクーターシェアリングなども含まれるが、その内訳は公表されていない。

本業以外の事業が成長して、本業を支える構造になることを期待したい。