「5G」表示の意味がない


Samsungが最新の5G対応スマホを出したので試してみたら、T-MobileとAT&Tの「5G」表示はほとんど意味がなかったとの問題が指摘されている。

Samsungが今回出した最新の5G対応スマホは「Galaxy S20」、「Galaxy S20+」、「Galaxy S20 Ultra」の3モデル。

Samsungのホームページより

このうち「S20 Ultra」を使って4社の5Gサービスを試してみたところ、AT&TとT-Mobileでは実際には4G LTEを使用していたのにもかかわらず画面上では「5G」と表示されたことがあった、とPCMagが伝えた。

5Gサービスは使用する周波数によって、ローバンド、ミッドバンド、ハイバンドの3種類があるが、上記の問題はローバンドの5Gで発生した。

4社のうちローバンドで5Gを提供しているのはAT&TとT-Mobile。たとえば、ローバンドの5Gとミッドバンドの4G LTEが同じ基地局を共用しているような場合に上記の問題が起こりやすい。

画面上で「5G」と表示されていても、実際に使用する周波数はその時点で最もパフォーマンスの良いものが選ばれるので、必ずしも5Gを選ぶとは限らない。

ローバンドの5Gは4G LTEとあまり変わらないとの試験結果も出ており、割り当てる周波数の帯域幅にもよるので、実際には5Gより4G LTEの方が速いという場合もよくあるようだ。

一方、SprintとVerizonに関してはそのような問題は発生しなかったとのことだ。

Sprintは5Gも4G LTEも同じミッドバンドで提供しているので、「5G」と表示されていればおそらく5Gを使っているのだろうとしている。ただし、Sprintの5Gは4Gとほとんど変わらないとの試験結果がある。

ハイバンドを使用するVerizonの5Gは、実際に5Gを使用してデータを伝送している場合にのみ「5G」と表示されるので、上記のような問題は起こらない。

ただし、カバレッジがあまりにも狭いので、移動中に5Gのカバレッジ内に入っても「5G」の表示をする暇もなくすぐにカバレッジから外れてしまうことがある。せっかく5Gを提供していても提供していないように見えてしまう。これはこれで問題だ。

各社ともそれぞれに問題を抱えている。