新型コロナと新型iPhoneの相性


新型コロナの感染拡大の中、Appleが新型iPhoneを発表した。

Appleのホームページより

Appleは4月15日、新型の第2世代「iPhone SE」を発表した。2016年に発売した小型で安価な「iPhone SE」の後継機で、4月17日に予約注文を開始し、4月24日に販売を開始する。

「iPhone SEのボディにiPhone 11 Proと同じ最新・最速の頭脳(A13 Bionicチップ)を搭載した」と説明している。メインカメラは単眼ではあるものの、ポートレート撮影や4Kビデオの撮影なども可能。

その他、いろいろな面で改良されて、価格は399ドルから。第1世代も初期の価格は399ドルからだったが、第1世代の最安モデルは容量が16GBだったのに対し、第2世代の最安モデルは容量が64GBだから、実質値下げと言ってもいい。

それにしても今回の新型iPhoneの発表は、「どうしてこんな時に」という思いと「こんな時だからこそ」という思いが交錯する。

「どうしてこんな時に」というのは、今はアメリカのほとんどの地域で外出が制限され、失業者も増えていて、多くの人が最低限の生活ができるかどうかさえも不安に感じている時に、新しいiPhoneを買っている場合かという思い。それに、買いたいと思っても新型コロナの影響でAppleのショップは閉まっている。

また、新型コロナの影響でiPhoneの生産がストップしていたのではないかという疑問や、大半が中国で生産されているのは大丈夫なのかという心配も。このような懸念は一応2月下旬に解消しているということらしい。

「こんな時だからこそ」というのは、もしかして、この新型iPhoneは新型コロナで大変さを増している世の中のために出てきたのではないかという思い。

廉価版のiPhoneは一般的には主としてインドなどの新興国のユーザをターゲットにしているものと考えられるが、今般の新型コロナの影響で経済環境が劇的に変化しつつある先進国にも受け入れられやすいのではないか。

加えて、第2世代iPhone SEではiPhone Xの登場以来消滅したホームボタンが復活した。そのためFace IDは使えなくなったがTouch IDが使えるようになり、マスクを着用したままでもiPhoneが支障なく使えるようになった。

それもあって、Appleはあえて新型iPhoneをこの時期に販売開始することにしたのではないかと思えなくもない。

なお、「小型」とは言っても、新型のiPhone SEの画面サイズは4.7インチと、旧型のiPhone SE(4インチ)よりも少し大きくなり、iPhone 8と同じサイズになった。

新型コロナでもたらされている「新常態」の中で、iPhoneにおける「小型」の定義も変わったことになる。

つまり新型iPhoneは「新小型」だ。