郵便が大統領選を左右する

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米国の郵便サービスがいろいろと大変なことになっていて、これが大統領選を左右する可能性もある。

郵便局の移動販売車(パシフィカにて)

最近、米国の郵便サービスで配達の遅れが問題になっているが、これが11月の大統領選に与える影響としては、郵送投票の処理が遅れて開票に間に合わなくなったり、十分な郵送投票ができなくなったりするリスクが挙げられる。

配達の遅れだけでなく、郵便公社が慢性赤字の構造になっていて、もうじき資金が底を突く恐れがあり、そうなると郵便サービス自体が存続できなくなる可能性があるという大きな問題もある。

そもそも、郵便公社は連邦の政府機関ではあるが、その財源は税金から賄われるわけではなく、郵便料金や関連サービスの収入によって賄う独立採算制をとっているという事情がある。

独立採算であるにも関わらず、その収入から現在と将来の退職職員の健康保険のために巨額の積み立てをしなければならないというようなルールが2006年の法律で決められたことが、慢性の赤字体質の一因になっている。

さらに最近は代替手段の利用拡大により郵便の利用が減少して収入が減っているということも深刻な問題だ。

経営体質の改善のため、今年5月に就任した郵便公社のトップのルイス・デジョイ総裁が、人員削減や施設の縮小などを含む大幅なコスト削減策を今夏に断行した。

それが人手不足や郵便物の積滞を招き、配達の遅れにつながっているという構造になっている。

そして、そのデジョイ総裁はトランプ大統領の支持者であることから、選挙戦でトランプ大統領を有利にするために郵便公社の改革を実施したものだと、民主党などが批判している。

郵便公社の改革を進めるとなぜトランプ大統領が有利になるかというと、人手不足や設備不足などで郵送投票ができなくなる可能性があからで、すなわちそれは郵送投票に反対しているトランプ大統領にとって有利になることになる。

ちなみに、トランプ大統領がなぜ郵送投票に反対しているかというと、不正が行われやすいからだ。これを主張したトランプ大統領のツイートに対して、Twitterが「事実確認」のラベルを貼って「検閲」したことが最近話題になった。

実際に郵送投票で不正が行われやすいのかどうかはきちんとした検証はされていないようだが、郵便物が不法に投棄されたりする事例はないこともなく、投票用紙がすり替えられたり成り済ましで投票したりする可能性がまったくないとも言えず、少なくとも漠然とした不安があることは確かだ。

このように、いろいろなことが複雑に絡み合っているが、要するに、郵便サービスは大統領選の行方を左右する可能性があることは確かだ。