Verizonの5Gは4Gより遅かった


Verizonの「全国5G」は4G LTEよりも遅かったとのテスト結果が出た。

Verizonは4G LTEやハイバンド周波数による「5G Ultra Wideband」では高速性で高評価を得ているが、ローバンド周波数による「全国5G」ではそうでもないようだ。

PCMagがiPhone 12 Proを使ってニューヨーク市でテストしたところ、多くの場合、4Gの方が5Gよりも速かったとの結果が出た。

8か所でテストしたうち7か所がローバンド5Gの提供地域で、そのほとんどの地域で下り速度は4Gが5Gを上回った。ハイバンド5Gの提供地域は1か所だけだったが、これはもちろん5Gの方が断然速かった。

ローバンド5Gの提供地域の平均では、下り速度は5Gが約80Mbps、4Gが約120Mbps、上り速度は5Gが約30Mbps、4Gが約25Mbpsという結果。

Verizonのローバンド5GはDSS(Dynamic Spectrum Sharing)という技術を使って4G LTEと周波数を共用している。5Gと4Gで同じ周波数を使用するので、速度もあまり変わらないとされているが、5Gではエンコードシステムを実行している関係で現時点では速度が遅くなりやすいとのことだ。

このため、PCMagではDSSを「Desperately Slow System」(絶望的に遅いシステム)と呼んでいる。

なお、このシステムを使う限り状況は他のキャリアも同様だ。AT&Tも全国5GはローバンドでDSSを使用しているため5Gが4Gより遅くなることがしばしばあるとのことだ。

その点、T-Mobileはミッドバンド周波数によりDSSを使わない全国5Gも展開しているので、他社のローバンド5Gよりは速度的に有利となっている。ただしVerizonの4G LTEに比べて断然速いというわけでもないようだ。

結論として、今のところはハイバンド5Gの提供地域でなければ5Gをオフにした方がいい、とPCMagはアドバイスしている。