政権交代間際というタイミングで、トランプ政権がHuaweiへの制裁を強化している。
商務省はIntelなど、Huaweiへのサプライヤー企業に対し、Huaweiとの取引許可を却下・取り消しする予告通知をした、とReutersが報じた。
これは2019年5月に商務省がHuaweiに対して発動した禁輸措置の一環。これにより、Huaweiやその関連企業に製品やサービスを供給することは原則禁止され、取引をしようとするときは事前に許可を取得しなければならなくなった。とりわけ5Gに利用される可能性のある技術に関しては厳しく取り締まることとなった。
今回の制裁強化により、現在ペンディングになっている約150件の許可申請についてはほとんどが却下され、既に取得している8件の許可についても取り消されることになる。日本のキオクシア(旧東芝メモリ)も少なくとも1件の許可が取り消される見通しとなった。
この「却下予告」を受け取った企業は20日間の反論機会が与えられ、その後45日以内に商務省が変更または最終決定の通知をする。その後、さらに当該企業は45日以内に不服申立てをすることができる。
この制裁強化は商務省、国務省、国防総省、エネルギー省の高官による1月4日からの6回の会議を経て決定されたものだそうだ。選挙の後始末で混乱している中、中国企業への監視・対応もしっかり怠りなくやっていたということだ。
それだけでなく1月16日には、米国南部の国境地帯の国家緊急事態宣言を継続する大統領令も発出している。2019年2月に本件の国家緊急事態を宣言する大統領令を発出したが、その効力が2021年2月で切れるところ、国家緊急事態はいまだに続いているとしてもう1年間延長することにしたものだ。
バイデン政権になると移民が認められやすくなるとの期待から、南米から数千人の移民希望者が米国を目指して進んでいると報じられている。大統領令は、一見、これに対応するためのもののように見える。
Migrant caravan member cites Biden’s pledge to suspend deportations for 100 days as reason for traveling to US https://t.co/S77fDHss33
— Fox News (@FoxNews) January 19, 2021
ただ、大統領令の目的はそれだけではないと見ることもできる。中国人民解放軍の25万人の兵士が国境付近に結集しているとの情報がある。カナダ国境に7.5万人、メキシコ国境に17.5万人の兵士がいて、混乱に乗じて米国に攻め込もうとしているとの内容だ。
もしそれが本当だとしたらまさに国家緊急事態だが、政治的混乱の中でもしっかりその対応をしているようだ。