「T-MobileとSprintが合併したのは大失敗だ」と言っている人がいる。
今頃になってそんなことを言い出しているのは誰かと思ったら、Boost Mobileの創業者のピーター・アダートン氏ではないか。同氏は会社をSprintに売却した後も、Boostやその顧客のことを絶えず気にかけていた。
T-MobileとSprintの合併にもずっと反対しており、DishがSprintのプリペイド事業を14億ドルで取得することで合意したときにも、同氏は20億ドルで買い戻してもいいとまで言っていた。
同氏はFox Businessのインタビューで、この合併は「大失敗(disaster)」だと語った。
Time for accountability on the disaster that is @TMobile merger, @JohnLegere @marceloclaure @AjitPai let’s go on @FoxBusiness and debate the issue? I am willing to are you guy’s? @CGasparino pic.twitter.com/U9xOpPEpB1
— Peter Adderton (@peter_adderton) March 10, 2021
合併後、雇用は減るし、料金も下がっていないし、競争がどんどんなくなっているなどと弊害を並べ立ているが、どうやら、T-Mobileの3G網廃止計画を一番問題視しているようだ。
T-Mobileは2022年1月に3G CDMA網を廃止することとし、Dish Networkに通告した。これにはDishも「反競争的行為」だとして反発を強めている。
T-Mobile/Sprintの合併による副産物としてDishがSprintから取得したBoostには900万件以上の顧客がいる。もしT-Mobileの3G CDMA網が廃止されると、Boostのサービスが使えなくなって困る顧客が数百万件にも上る。
もともとBoostもいずれは3G網が廃止されること見越して顧客の移行を計画していたが、それは顧客の機種変更などのタイミングを見計らって、自然に移行しようというもの。来年1月に廃止となると、Boostは予定を18-24か月前倒ししなければならなくなり、あまりにも急すぎる。
Boostとその顧客にとってはこの合併は「大失敗」というよりは「大災難」と言った方がいいだろう。
BoostはMVNOとしてT-Mobileのネットワークを7年間は使える契約になっている。T-Mobileには3G網を維持しないといけないという法的な義務はないが、信義上の義務はある同氏は力説する。
司法省とFCCが介入してこの悪行を正し、責任ある行動を促すべきだとさえ述べている。