Verizonが「世界最速5G」の称号を確保


Verizonに対し「世界最速5G」の宣伝文句を使ってもよいとのお許しが出た。

VerizonのCM「The Fastest 5G in the World」/iSpot.tvより

「世界最速の5G」と謳ったVerizonのテレビCMやその他の広告等に対して、消費者を混乱させる恐れがあるとしてAT&Tが米国の広告自主規制機関である全国広告審査局(NAD)に苦情を申し立てていた。

AT&Tは、Verizonの「5G Ultra Wideband(UWB)」は提供地域が極めて限られており、現状ではほとんど使えない状態(アベイラビリティは0.5%)であることを指摘。このような現状で「世界最速の5G」と宣伝する資格があるのかとの問題を提起した。

これに対し、Verizonは2020年5月のOpenSingalのテスト結果を証拠書類として提出していた。

4月7日にNADが下した判断は、Verizonは「世界最速の5G」を宣伝してもいいというもの。Verizonの提出した証拠を採用し、第三者のテストで「世界最速の5G」であることが実証されていると判断した。ただし、この宣伝文句が当てはまるのはUWBだけであることを広告に明記するよう助言した。

注目すべきは、AT&Tが問題にしたのはVerizonのUWBが世界最速であるかどうかについてではなく、UWBの提供地域が極めて限られている点。これに関してNADは、広告を中止させるほどではないと結論づけた。

「世界最速」かどうかの事実関係については、それより速いサービスを提供しているキャリアでないとなかなか文句は言えないだろう。