PayPalが返品サービスを拡充


PayPalがオンラインショッピング用の返品・交換サービスの拡充に力を入れている。

PayPalは3月28日、オンラインショッピングにおける販売・購入後のサポートサービスの拡充策として、「Happy Returns」の無料化と「Ulta Beauty」との提携を発表した。

Happy Returns」はカリフォルニア州のベンチャー企業で、オンラインショッピングで加盟店が商品を販売した後の、返品や交換に関わる手続きや処理を加盟店に代わって一手に引き受けるサービスを提供する。2021年にPayPalが買収した。

オンラインで購入した商品の返品や交換に伴う購入者や加盟店の不便や問題を解消しようというもの。返品・交換に伴う手続きをソフトウエアで自動化し、処理を一元化することで効率化を図る。

アメリカでは届いた商品が破損していたり、注文したのと違うものが届いたなどのトラブルは日常茶飯事なので、それを扱うだけでもビジネスが成り立つのだろう。

Happy Returnsの収入源は加盟店からの手数料だが、PayPalは今回、PayPalの決済サービス「PayPal Checkout」を利用する加盟店に対してはこれを無料にすると発表した。

購入者や加盟店の問題を解消するとともに、自らのサービスの拡大も図ろうという狙いだ。

Ulta Beauty」は大手美容室チェーンで化粧品・美容用品等の販売も手掛け、全米1,300か所以上に店舗を展開している。

PayPalの今回の提携は、Happy Returnsによる返品・交換の商品をUlta Beautyの店舗の受付カウンターで受け入れできるようにしようというもの。

購入者は商品を梱包する必要もなく、そのまま持参し、アプリで返品・交換の手続きをした際に発行されるQRコードを提示するだけでよい。

Happy Returnsのホームページより

これにより、Happy Returnsによる返品・交換の受付カウンター「Return Bar」は全米で5,000か所以上となる。

これで返品・交換が増えても大丈夫、ということになるのだろうが、できれば返品・交換が増えないような工夫もしてもらいたいものだ。