固定5Gの販促はVerizonがT-Mobileより積極的


固定5GサービスにおけるVerizonとT-Mobileの販売競争が激化しているが、どちらかと言えばVerizonの方が積極的なようだ。

Verizonは固定5Gサービス「5G Home」の料金を「月25ドルから」と宣伝している。

Verizonのホームページより

一方、T-Mobileは「5G Home」の料金を「月50ドル」と宣伝している。

T-Mobileのホームページより

一見、Verizonの方がT-Mobileより安いように見える。それも2倍の開きがある。実はどちらもこの料金で利用するためには一定の条件があり、それ以外の場合には別の料金が適用されるので、単純に比較はできない。

まず、Verizonの固定5Gサービスには割安の「5G Home」(下り速度: 85 – 300 Mbps)と高速の「5G Home Plus」(下り速度: 300 – 1000 Mbps)があり、定価はそれぞれ月60ドルと月80ドル。

請求書をペーパーレスにして料金を自動引き落としにすることによりどちらも10ドル安くなる。さらにモバイル5Gサービスの「Do More」、「Play More」、「Get More」のいずれかのプランに加入することにより「5G Home」の月額料金が半額になる。

よって、請求書をペーパーレス・自動引き落としにしてモバイル5Gの対象プランに加入した場合には、「5G Home Plus」は月35ドル、割安の「5G Home」の方は月25ドルとなる。この安い方をVerizonが積極的に宣伝していることになる。

次にT-Mobileの方は、「5G Home」(下り速度: 33 – 182 Mbps)の定価は月55ドルであるが、料金を自動引き落としにすることで5ドル安くなり、月50ドルとなる。T-Mobileはこの料金を前面に押し出して宣伝している。

さらにモバイルサービスの「Magenta Max」プランに加入することで「5G Home」の料金は20ドル安くなり、月30ドルとなる。

この料金はVerizonが「月25ドルから」として宣伝しているのと同様の条件となるので、T-Mobileも「月30ドルから」を前面に押し出して宣伝してもいいところだろうが、なぜか「月50ドル」の方を重点的に宣伝しているように見える。

ところで、この最安料金で比較してもT-Mobileの方が5ドル高くなるが、モバイルプランとの合計で比較するとどうなのか。

たとえば、1回線で料金を自動引き落としにした場合、Verizonの「Do More」と「Play More」は月80ドル、T-Mobileの「Magenta Max」は月85ドルなので、モバイルと固定5Gの合計料金はVerizonが月105ドル、T-Mobileは月115ドルとなり、何とT-Mobileの方が10ドルも高くなる。

なお、Verizonのモバイルサービスを「Get More」にするか、固定5Gを高速の「5G Home Plus」にすることで、モバイルと固定5Gの合計料金は月115ドルで、T-Mobileと同額となるが、速度はVerizonの方が速い。

実際にキャリアを選択する場合にはサービスの特典など、さまざまな要素を検討に含めることとなるが、単純に料金と速度だけで比較すると、Verizonの方が有利ということになる。

もちろんそれは両社の提供地域が重なっている地域での話であって、どちらか片方または両方がサービスを提供していない場合にはそもそも選択の余地がない。

ちなみに、我が家ではT-Mobileの「5G Home」を利用しており、下り速度は相変わらず10 Mbps前後を行ったり来たりしているが、たまに80 Mbps近く出て「何かあったのか」と驚かされることもある。

以前よりも多少は改善されているのかもしれないが、まだまだ不十分。早くVerizonが参入してくれることを祈る。