アリゾナでスマホを買い替える(その12)


5年程前に購入したスマホがそろそろ買い替えどきになったので、新しいスマホに買い替えることにした。

何とかiPhone SEiPhone 14 Proの購入を完了した。両スマホの購入で達成した節約額の合計は465.43ドル。これが最善の決断だったかと問われると、どうもあまりすっきりしないし、何か物足りない。

金額的には各社のプロモーションで目にした割引額に比べると見劣りするが、それに伴う月額料金を考慮するとけっして悪くはない。ただ、今回利用した割引の内容はホームページなどで入手できた一般的な情報の範囲にとどまるものだった。

たとえばショップに行ったらホームページにはないお得な情報が得られたとか、オンライン限定のオファーがたまたまタイミング良く利用できたとか、そういう「小さな幸せ」を伴う購入体験がなかったので物足りなく感じるのではないか。

オンラインでもショップでも条件はまったく同じというのは、公平性という観点からはいいのかもしれないが、面白みやワクワク感がない。アメ横のように店頭で値切り交渉ができれば面白いし、うまく行ったときには達成感もあるだろうに。

その一方で、オンラインでもショップと同じ条件で購入できるのは必ずしも悪いことではないという気持ちもある。最近はとりわけコロナ禍を機にオンラインで購入したいという消費者ニーズが増大している。それはスマホも例外ではない。

オンラインの購入者としてはオンライン限定の好条件があれば尚良いだろうが、最低限、ショップと同条件で購入できるのであれば安心材料にはなる。各社がショップ限定のプロモーションに力を入れていないように見受けられるのもうなずける。

もう1つ、今回のスマホ買い替えにあたってはキャリア変更の可能性も検討の対象にしたが、変更先の候補は挙がったものの結局変更するには至らなかった。これも何となく達成感に欠ける気がしている一因だと思われる。

10年前にはカバレッジが理由でVerizonしか選択肢がないという事態に至ったが、最近はさすがにそのような問題はなくなっている。データ速度など多少の違いはあっても、どのキャリアを選んでもそれほど不便や不都合はない状況になっている。

そのような状況下で何度かキャリア変更を重ね、結局T-Mobileに落ち着いたのは、大手キャリアの中ではプランの月額料金が一番安かったことが大きな理由だ。よって、これを覆すとすれば、まずはやはり月額料金が大きな決め手となる。

今回もそのような視点で検討した結果、他の大手キャリアは変更先の候補から外れた。ただ、最近登場したMVNOはなかなか無視できない存在になっている。大手キャリアのネットワークを格安の料金で利用できるのは非常に魅力的だ。

特に料金的に有利だったVisibleBoostが今のところ変更先の候補になっている。試しに使ってみたところでは、両社とも速度やカバレッジは問題ないどころかT-Mobileよりも良好で、しかも料金はT-Mobileよりも安い。

今回変更の決断に至らなかったのは、両社のサービスの使い勝手や信頼性などを確かめたり、T-Mobileのサービスのさまざまな特典が使えなくなっても支障がないかどうかを確認したりするのに、もう少し時間が必要だと感じたからだ。

たとえば無料の海外ローミングや機内Wi-FiMLBの無料ストリーミング、毎週火曜日のプレゼント、ショップで対応してくれたスタッフの好印象なども考え合わせると、即座にT-Mobileを切り捨てる気にはなれなかった。

今後さらに各社のサービスの評価を継続してキャリア変更の可能性を追求することとするが、現時点での予感としては、T-Mobileはけっして安泰ではないだろうということ、そしてMVNOの存在が重みを増しつつあるということ。

そういうわけで、今回のスマホの買い替えはあまり達成感がない結果となったが、後日談として、故障して立ち上がらなかったiPhone XSの買取価格が122ドルになったとの知らせがGazelleから届いた。見積もりでは26ドルと言われていたものだ。

買取価格の増額を伝えるGazelleからのメール

下取りの見積金額は最大の場合で、それより下がることはあっても上がることはないものと思っていたが、上がることもあるのだとわかった。検品中に何かのきっかけでスマホが正常に動作するようになったとしか考えられない価格だ。

いずれにしても、誠実に買取価格を修正してくれたGazelleには感謝と敬意を表したい。これにより今回の節約額の合計は561.43ドルとなった。これが今回のスマホ買い替えにおける唯一の「小さな幸せ」と言えるかもしれない。

フェニックスのDesert Botanical Garden(砂漠植物園)にて

(完)

アリゾナでスマホを買い替える(その11)