Uber、Lyft、SideCarなどの「ライドシェア型」サービスの運用が現状の規制下で合法的かどうかを審議していたカリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)が、7月30日、条件付きで「一応合法」との判断を下したことから、サンフランシスコのタクシー業界が猛反発し、市役所前でデモを行った。

CPUCの決定案ではまず、問題になっている「ライドシェア型」サービスを提供する事業者の総称を、呼びやすいように「NOETS(New Online Enabled Transportation Services)」から「TNC(Transportation Network Company)」に変更している。
便宜上「ライドシェア型」と呼んだが、正確には「ライドシェア」ではないことも今回明確化された。うどんなどの「手打ち風」に倣って、「ライドシェア風」と呼んだ方がいいかもしれない。
決定案ではTNCは車両法に定義する「ライドシェアリング」には該当せず、タクシーやハイヤー・リムジンと同様の営利サービスであり、CPUCに規制権限があることを確認した上で、以下のような義務を課することとしている。
● TNCは1社ごとにCPUCからライセンスを受ける。
● ドライバーは1人1人犯罪歴をチェックする。
● ドライバーの訓練プログラムを確立する。
● ドラッグやアルコールに対しては特に厳しい「ゼロ・トレランス(不寛容)」ポリシーを導入する。
● 自動車保険は現行のリムジンに求められているよりも厳しい内容のものを義務づける。
上記の条件はいずれもTNCにとっては特に難しいものではないため、事実上「合法」と判断されたとして、TNC側は喜んでいる。
なお、これは「決定案」であり、最終決定は9月5日かそれ以降の委員会会合で諮られることになっている。
サンフランシスコでタクシードライバーの許可証「メダリオン」を取得するためには、15年待ちの行列に並ぶか20万ドルを支払って買い取るしかないといわれている。「ライドシェア風」なら初期コストもかからずにすぐにドライバーを始めることができる。これからタクシードライバーになろうとしている人なら、TNCに乗り換えればいいだけの話だが、苦労してメダリオンを取得したドライバーにとっては大変悔しい話に違いない。

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