投資家の決済ビジネス離れ


投資家の決済ビジネス離れが起こっていると、TechCrunchが伝えている。

ベンチャー投資が出資した決済ビジネス会社数(TechCrunchより)
ベンチャー投資家が出資した決済ビジネス会社数の推移(TechCrunchより)

ベンチャー投資家が出資した決済ビジネス会社の数が、ここ数か月間減少傾向を示している。2013年第3四半期には59件だったのが、2014年第2四半期には41件に減っている。これは一時的なものではなく、決済市場の特質によるものなので今後も減少することは間違いなく、起こるべくして起こっているものだという。

Khosla VenturesのBenjamin Ling氏によれば、決済は巨大産業で技術革新の余地も大きいが、この市場で成功するのは難しい。というのも、消費者を獲得するだけでなく、加盟店も獲得しなければならず、さらに関連団体などの第三者機関の支援も得る必要があるからだ。消費者は信頼性やどこでも使えることを求め、加盟店は多数の消費者に利用されることを求めるが、スタートアップ企業は通常、そのどちらも弱い。ニワトリと卵の問題だが、これが成功を難しくしている要因だ。

このような問題があるにも関わらず、これまでKlarna、Stripe、Square、iZettleなどが大手ベンチャー投資会社から出資を得て成功しているというのはすごいことだ。

ただBain Capital VenturesのMatthew Harris氏などの投資家たちは、決済ビジネスへの投資額の減少は必然的な傾向だという。決済ビジネス市場は比較的新しく、少し前まではまったく投資対象にならなかった。何もないところに急に大きな新市場が出現したわけだが、市場の木々は天まで伸びるわけではない。同氏はまた、一番ホットな分野がベンチャーキャピタルとは無縁のP2P(ピアツーピア)送金にシフトしていることもあるとも述べる。

ベンチャーキャピタルと無縁かどうかはともかくとして、今後はP2P送金が賑やかになりそうだ。

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